曹洞宗 見性院
檀家制度をやめて〝信徒制度〟に。葬儀も本堂を使って自らプロデュース
熊谷市にある曹洞宗見性院の橋本英樹住職は、檀家制度の廃止を宣言し、檀家に頼らず自立していく道を選んだ。本堂で行う〝本堂葬儀〟も好評。新しいスタイルのお寺を目指している。
「お寺はこれまで、寄附や年会費、管理費、護持会費など檀家に頼り過ぎていた。もうお寺はお寺で自立する必要があると感じたのです」 檀家制度をやめて信徒制度を採用した理由を、こう語る橋本住職。経済的に自立していくために橋本住職が始めたのは、お寺の本堂で葬儀を行う「本堂葬儀」だ。そのために、本堂に椅子席を設けたり冷暖房を完備したりと、施設を充実させてきた。葬儀はお寺がプロデュースする。自分たちで雑用までこなさなければならず大変な面もあるが、多くの人にお寺に足を運んでもらえるというメリットもある。もともとある施設を使うのでコストは抑えられ、費用の面で遺族にもメリットが生まれるうえ、「お寺でお葬式をやってもらうとありがたみがある」と、好評だ。本堂はサイズ感もちょうどよく、雰囲気もあって、家族葬にも向いている。本堂葬儀に参列した人が、身内のお葬式を依頼してくるケースも増えた。新しい葬儀の形としても注目だ。