第2回「『母の日参り』手紙コンクール」受賞作品決まる
薫香製造・販売大手の日本香堂(株式会社日本香堂ホールディングス 代表取締役社長 小仲正克)をはじめ有志12者(6企業・6団体)からなる『母の日参り』パートナーシップでは、4月23日(火)、東京都内にて「『母の日参り』パートナーシップ 2019年度 共同プレス発表会」を開催した。
『母の日参り』とは、ゴールデンウィークから母の日にかけての好季節に、亡き母を想い墓前を訪ねる祈りの新習慣だが、その美風に賛同し普及を後押しする活動の輪が業界の垣根を越えて広がり、母を見送った世代において着実に定着しつつある。
そんな『母の日参り』訴求取り組みの一環として昨年からスタートした、亡き母への想いを綴った書簡作品を一般公募する「手紙コンクール」の第二回受賞作品が同日のプレス発表会で併せて発表された。
昨年の歌舞伎俳優・中村獅童氏(46)から引き継ぎ、今年の選考委員長を務めた俳優の草刈正雄氏(66)が登壇し、亡き母との思い出を語るトークセッションの後、手紙コンクールの金賞受賞作品を発表した。
草刈氏は8年前に実母を亡くしており、母子家庭で苦労して育ててくれた母への心情と受賞作品を重ね合わせて「胸に沁みた」と語った。
受賞作品は下段に記しておく。
母と子、孫と3世代を繋ぐ絆の物語は、草刈氏でなくとも心に沁みる作品だ。
尚、受賞8作品は、下記のサイトにて閲覧ができる。
受賞作品をご覧いただき、令和元年の母の日となる5月12日「母の日参り」して絆を再確認してみてはいかがだろうか。
「母の日参り」公式サイト https://hahanohi-mairi.jp/
<金賞受賞作品>
作者:頑張ってるお父さん (男性・49歳・新潟県)
「ばあちゃん(母)、素直になれずゴメン」
母が十数年前に他界した。
歳を重ねても唯一、頭があがらないのが母だった。
娘はそれを敏感に感じとり、私がカミナリを落とすと、よく
「婆ちゃんに言いつけてやる」等と小さな抵抗をみせた。
母は孫娘を溺愛し、娘も超がつく程の婆ちゃん娘だった。
その娘が今年から新潟を離れ大阪で1人暮らしを始めた。
私は事あるごとに電話をするのだが、良くできた娘で煙たがらず近況を伝えてくれる。
お父さん、大丈夫だから心配しないでと。
私も若い頃、県外就職組だったので母からよく電話を貰った。
その当時、自分は男だというプライドと若さも手伝って、
母に対して随分とつっけんどんな態度を取ったものだ。
しかし今こうして娘の心配をしていると、母がその当時かけてくれた言葉が、
時空を超え私の心に突き刺さってくる。
人生のゴールがそろそろ見えてきた今頃になって、
30数年前にかけて貰った母の言葉に感謝し涙する。
生きている内に、もっと母と向き合うべきだった。
私達には言葉がある。愛を伝え、感謝を伝えるその言葉で、
くだらない事でも日常の小さな出来事でも、もっともっと会話をするべきだった。
孝行したい時に親はなし ―― そんな当り前の言葉が身に沁みる。
ある日、大阪の娘から電話があった。
「お父さん、母の日参りって知ってる? 母の日に新潟に帰るから、そしたら
婆ちゃんのお墓参りに行こう。婆ちゃんの好きだった栗羊羹を持ってさっ」
頬から流れた涙が受話器を伝ってポロリと落ちた。