日本葬祭アカデミー教務研究室(葬祭カウンセラー認定機関)主宰二村 祐輔さん

二村 祐輔さん

1953年生まれ。葬祭業務の実務に約18年間携わった後、日本初の葬祭専門コンサルティングとして独立。行政主催の「お葬式セミナー」を全国で行うほか、関連企業の研修や企業営業の拡充策、葬祭ホール、納骨堂などの新設・開設にも関与。『大往生の値段』(近代文芸社)、『自分らしい逝き方』(新潮新書)、『60歳からのエンディングノート入門 わたしの葬儀・法要・相続』(東京堂出版)など著書多数。

私の「エンディングノート」

Q.人生の最後に食べたいもの(最後の晩餐)
妻の手料理
Q.人生最後に行きたいところ
ふるさと(信州)
Q.天国に持っていきたいもの
特にない
Q.天国で会いたい人
葬祭業務の実務で担当した方々 (2000名以上)や友人たち
Q.生まれ変わったらなりたい職業
船乗り


イメージで託すのではなく具体的な「希望」を伝える

イメージ先行の用語ですれ違う消費者と葬儀社

「終活」「エンディングノート」「家族葬」など、近年さまざまな場面で取り上げられるこれらの用語に、葬祭関連・メモリアルビジネスのコンサルタントを務める二村祐輔さんは違和感を覚えるといいます。
「エンディングノートは、葬祭に関する知識がなければ書けません。書いたからといって万全な終活とも限りません。〝葬儀は家族葬で〟とエンディングノートに書かれていたとします。これを叶えようとご家族が葬儀社へ相談する段階では、費用を抑えた葬儀なのか、家族だけで送る、あるいは少人数で執り行うのか、書いた本人・家族・葬儀社と三者間で解釈のズレが生じます」と問題視する二村さん。こうしたすれ違いが起こらないよう、エンディングノートの役割と、書けるようになるための知識を得ることの必要性を、消費者に向けたセミナーや生涯学習の場で説いている。一方で葬祭関連業者に向けたコンサルティングや人材育成にも力を入れており、「サービスを提供する側も、単に葬祭業という意識ではなく、今後は遺族と共に学び得るような教育産業の意識とプライドを持ってほしい」とも話す。

「要望」と「希望」は別!葬儀社へしっかり伝えること

セミナーでは消費者から必ず聞かれる二大質問があるという。
「葬儀っていくらかかるの?いい葬儀社教えて!」と決まって質問を受けますが、何をやりたいかで金額は違ってきますし、いい葬儀社の定義は、家から近い葬儀社なのか、担当者の対応、式場の使いやすさ、プラン内容など、何をもって良いとするのか、これも人によって違うので一概には答えられません。こうした疑問を解決するには、葬祭に関する用語を理解し、正しい知識を得るこ二村さんが提案する「エンディングプロフィール」とが必要。そのうえで、自分の要望と希望をしっかりと持ち、葬儀社へ伝えることが大切です」
二村さんいわく、要望は慣例や慣習など叶えられて当たり前のこと。希望は、できるかできないかわからないけど、叶えられたらうれしいと思えること。ささやかな希望がひとつ叶えられただけで心が満たされるのだから、希望こそぶつけるべき最重要事項だと言います。しかし、これも担当者へうまく伝わらなかったり、自社のパックに固執し希望を叶える発想を持たなかったり、予算重視で叶わないことも多いので、やはり事前相談や見積もりなどコミュニケーションが大切になってくる。

「感謝の集い」という名の社会的つながりへのけじめ

田舎の家を引き払い、都市部に暮らす子どもの家に移り住む、あるいは高齢者向け住宅や介護施設に入居するなど、長年暮らした土地を離れる高齢者が今後ますます増えることに対し、二村さんは生前に行う告別式が意味を成すと語る。
「信州の家を引き払い、両親を施設に入居させることになりました。村の人と縁遠くなってしまうので、これまでの感謝の気持ちを伝える機会として、村のお寺で感謝の集いを開きました。超高齢社会にこそ、こうした節目の考え方が必要だと思うのです」と言って見せてくれた会の写真には、金婚式を祝っているかのような和やかで温かな雰囲気があふれる。自分らしく、そして家族にも無理のないエンディングの形は、多くの人が思っているよりもっと自由なのかもしれない。


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