Vol.3「お墓どうする?墓じまいを進めるときのポイント」月イチ連載「村田ますみのブルーオーシャン終活コラム」

Vol.3「お墓どうする?墓じまいを進めるときのポイント」


墓じまいとは??

 最近、海洋散骨をご検討中のお客様から、多く寄せられるご相談の一つ「墓じまい」。

・お墓はあるけど遠方だから行けなくて・・・
・跡継ぎがいないから墓守がいなくて・・・
・残された家族に負担を掛けたくなくて・・・

などのお悩みをお聞かせいただくことが、ここ数年増えて参りました。

 そもそも「墓じまい」とは、いつ頃生まれた言葉なのでしょう??

 少なくとも、私が2013年に初の著書「お墓に入りたくない!散骨という選択」(朝日新聞出版)を執筆した当時は、「墓じまい」という言葉は存在していませんでした。2014年ごろから、永代供養墓を販売する事業者が、「改葬」(いわゆるお墓のお引越し)をして今あるお墓を処分することを「墓じまい」と呼ぶようになり、一気に市民権を得た言葉です。ここ数年は、メディアでも「墓じまい」特集が組まれるなど、一般的な用語になりつつあり、ご相談も増えていることから、2018年に執筆した「海へ還る~海洋散骨の手引き」(啓文社書房)の中には、「海洋散骨と墓じまい」という章を設けました。
 つまり、墓じまいは、比較的新しい動きで、手続きや流れはケースによって変わるというのが現状です。
 
~墓じまいの流れ~
 
まずは、墓じまいの一般的な流れを押さえておきましょう。
公営墓地、寺院墓地、共同墓地など、お墓の運営主体によって、流れは変わりますが、ここでは、一般的な寺院墓地を例にします。
 
①墓じまいをする理由を話し合い、墓じまいした後の遺骨の行き先を決めます。
 
 墓じまいをする理由は何でしょうか? 後のトラブルを避けるため、また、供養への考え方などをしっかり伝えるために、関係するご家族やご親族とよく話し合いをしましょう
 そして、墓じまいをして取り出したご遺骨をどうするのか?その行き先を決めることが何より肝要です。永代供養の納骨堂に納めるのか、樹木葬型の墓地に埋葬するのか、海に散骨するのか? さまざまな選択肢がありますので、さまざまな観点から検討しましょう。時間に余裕があるようでしたら、資料を取り寄せるだけでなく、実際に足を運んで、現地を見ることをお薦めいたします。散骨の場合は、散骨を体験するクルーズが開催されていますので、下見を兼ねて参加されると良いでしょう。納骨堂や樹木葬の見学や散骨体験は、できればお一人ではなくご家族など複数で出かけるのが理想です。やはり百聞は一見にしかずですので、共通の認識をつくっておくことは大切です。
決められないということでしたら、ひとまず引き揚げたお骨をご自宅に安置しておくということも可能です。

 

②墓じまいすることをお墓の管理者(お寺)へ伝えます。

 言いづらいかもしれませんが、お寺さんに墓じまいの意志を伝えなければいけません。
「このままだとお寺さんに迷惑かけちゃうから」
という気持ちで、中々言いづらいというお声も聞きます。
お寺さんが困るのは檀家さんがいなくなることですが、誰も墓守がいないお墓を放置されることも、それ以上に困ります。ご家族ご親族と話し合いを重ね、納得できる結論を出しているのであれば、お寺さんもご理解下さるはずです。大切なのは、コミュニケーションの方法です。
ここでのポイントは、相談ではなく報告という形でお伝えすること、そして、今までお世話になった感謝の気持ちを伝えましょう

 

③工事を行う指定の石材業者があるか、管理者(お寺)に確認し工事の段取りをします。

 お墓も基本的にはお部屋を借りるのと同様に退出をする場合は現状回復の義務があると考えてください。ですから、費用は全て自分で負担しなければなりません
お寺には、指定の石材業者があるところが多いです。管理している場所に応じて、必要な手続きが違いまうので、管理者(お寺)と石材業者にまずは確認し、工事の見積りをしてもらい、日程などの段取りを決めます。
もし、特に指定の石材業者がない場合は、ブルーオーシャンセレモニーでも承ることが可能ですので、ご相談下さい。
工事費用の目安は、1㎡あたり10万円ほどが相場ですが、場所、石材、施工方法によっても大きく違ってきます。
 
④改葬許可書が必要と言われたら??
 
 お墓から遺骨を取り出すのに、「改葬許可書」を役所から取ってくるように、と言われることがあるかもしれません。「改葬許可書」とは、簡単に言うと「お墓を引っ越す」ために必要な書類です。引越先のお墓が決まっている場合、引越先に納骨する際に提出が求められる書類です。
もし、まだ行き先が決まっていない場合、あるいは行き先が墓地ではなく海への散骨の場合は、「改葬許可書」は必須の書類ではありません。ただ、墓地の管理者によっては、お骨の行き先を書面で把握しておきたいというケースも稀ですがありますので、散骨事業者の方で受入証明書を発行することは可能です。
また、お墓から取り出した遺骨が、どの方のお骨かという公的な証明書(埋葬許可証等)がない場合は、遺骨引渡証明書を墓地管理者に記入捺印していただきます
 
⑤墓じまい当日。閉眼供養をおこない遺骨を取り出す。
 
 閉眼供養とは僧侶によって諸説ありますが簡単に言うと「お墓に宿っている仏様の魂を抜いて
貰い、ご先祖にお墓の引っ越しをするということの報告をするためのお経」です。
最近は行わないという声も聞きますが、寺院のお墓の場合は必ず行います。また地域によっては
この閉眼供養をしていないと工事を行ってくれない石材店もあります。
閉眼供養の際は、僧侶にお布施を用意します。
相場はとくにないものなので、いくら用意すればいいかわからないときは僧侶に直接、聞くのが一番です。もしも「お気持ちでけっこうです」といった答えが返ってきたら、「ほかのみなさんはどれくらい用意されているのでしょう?」などと聞いてみると、金額を教えてもらえるでしょう。
 いずれにしても、これまで管理してきたお墓にお別れをする儀式なので、しっかりと臨み、お世話になったお寺さんには改めて感謝の気持ちを伝えましょう。
 
⑥遺骨を新しいお墓に納骨、もしくは散骨
 
 新しいお墓に納めるのはいたってシンプルに出した遺骨を新しい場所へ持っていくだけです。
この際、湿気を吸っている遺骨を乾燥したり納める場所によっては遺骨の粉末化が必要となったりするので、納骨先に確認を取りましょう。海洋散骨をおこなう場合も、遺骨の洗浄と乾燥をおこなった上で、粉末化をします。
お墓に長年埋葬されていたご遺骨は、湿気やカビ、骨壺の割れからの土の混入や骨壺内に蓄積された水分などで汚れていることがほとんどです。お骨をクリーニングし、釘や貴金属の除去をおこなって、乾燥させて綺麗にすることで、新しい供養先に新たな気持ちで御霊を送りましょう。

 以上、墓じまいの一般的な流れとポイントをお伝えしました。墓じまいは初めての経験であることが多いものです。墓地の形態や、地域によっても大きく変わる部分もありますので、不安なことがあれば、まずは専門家にご相談してみましょう。ただ、れまで、数々の墓じまいに関連するご相談や実際の施行に携わった経験上、もっとも大切なことは、やはり「コミュニケーション」であるということを心得ていただければと思います。ご家族ご親族・寺院・事業者と、いずれも円滑なコミュニケーションが取れていれば、大きな心配は不要です。たとえお墓を維持することが困難でも、ご先祖様への感謝の気持ちは忘れないでいましょう。

次回タイトルは未定です。
ご期待ください。

 

<村田ますみ氏プロフィール>
株式会社ハウスボートクラブ 代表取締役社長
一般社団法人日本海洋散骨協会 初代理事長
GSI認定グリーフサポートバディ・フューネラルセレブラント
【経歴】
1973年生まれ、東京都出身。
同志社大学卒業後、IT業界、生花流通業を経て、母の死をきっかけに
2007年に株式会社ハウスボートクラブを設立。
2014年に一般社団法人日本海洋散骨協会代表理事に就任。
2015年に日本初の終活コミュニティカフェ【BLUE OCEAN CAFE】をオープンし、終活のトータルサポートを本格的に開始。
終活セミナーの講師としても活躍(年間60回程度)。
【著書】
「お墓に入りたくない!散骨という選択」 朝日新聞出版(2013年)
「海へ還る 海洋散骨の手引き」 啓文社書房(2018年)
【Webサイト】
海洋散骨のブルーオーシャンセレモニー
ライフコミュニティカフェ「ブルーオーシャンカフェ」
 

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