誠広会 岐阜中央病院 緩和ケア科服部真己さん

服部真己さん

1971年愛知県生まれ。大阪市立大学卒業。2001年より救急総合病院の総合内科・総合診療部に勤務。終末期医療を希望し2010年より現在の職場に移る。

私の「エンディングノート」

Q.人生の最後に食べたいもの(最後の晩餐)
二色ご飯、鳥のベト焼き(我が家の人気メニュー)
Q.人生最後に行きたいところ
瀬戸内海の大久野島(うさぎ島)
Q.天国に持っていきたいもの
愛車(時代逆行の青いスポーツカー)
Q.天国で会いたい人
祖母
Q.生まれ変わったらなりたい職業
007やバットマンのようなヒーロー


最期の時まで自分らしく生きる

心の苦しみをやわらげるホスピス

近年、ホスピスの存在が日本でもようやく認知されるようになってきた。ホスピスとは、終末期ケア(緩和ケア)を行う病院や施設のこと。簡単にいうと、これ以上の治療は不能とされた末期ガン患者などが、残りの時間を過ごすための場所だ。
現在、全国に約250 施設あるといわれるが、岐阜県は全国平均からするとやや設置数が少ないのが現状で、岐阜市、各務原市、高山市、多治見市の4か所にしかない。そのひとつが、服部真己医師が勤務する誠広会岐阜中央病院の緩和ケア科だ。
「ここに来ていただく患者さんは、もう病気は治らないと理解し、病気と闘うつもりはないと決めていることが前提です。入院に先立ち患者さんとご家族には『ここは、残りの時間を自分らしく最後まで前向きに生き切る場所』だということをしっかり話します」。そのために、自分がこれからの時間をどうやって過ごしたいか、あるいはどういう過ごし方が自分らしいのか、医者や看護師と相談しながら生活をするのがホスピスなのである。
「一番のポイントは、病気があれば苦しい思いをしても治療するのは当たり前、という考え方から解放してあげること。末期ガンの患者さんは病気と闘っても〝負ける〟しかないわけで、闘いが無駄だと思えばやはり苦しいですよね。でも、最後の最後は苦しみから少しでも解放されて過ごしていただきたいんです」。
 ホスピスでは治療がまったく行われないと誤解されがちだが、実はそうではない。抗がん剤や放射線治療など、がんと闘う治療をしないだけで、それ以外の症状を軽減するための治療、体の状態を維持するための治療などは行われる。
「ホスピスに入院した後は、身体の自然な変化に任せるのが基本。ただそれが必ずしも患者さんにやさしいわ けではなく、自然に逆らわないと思うとかえって苦しいこともある。その苦しさを、僕たちは薬を使ってやわらげてあげるんです。自然に衰え、動けなくなるのは避けられませんが、そういう中でも患者さんが苦しまず、穏やかに、自分らしく過ごせるためのサポートをしていきます」。
そういう環境で医者や看護師がもっとも重視しているのは、患者さんや家族の思いをできる限り聞き、すくい取ることだと服部さんは話す。入院前には家族関係や性格など病気とは関係ないところまで綿密に話を聞き出して信頼関係を築き、入院後の生活の中でもそれぞれの声にしっかり耳を傾ける。そして、残された家族をケアすることも忘れてはな らない。

最期を前に穏やかでいるには

現場で大勢の患者を見てきた服部さんによると、穏やかに最後を迎えられる患者とそうでない患者がいるという。覚悟して入院しても、現状を受け入れられずにいる人が多いのだそうだ。「ホスピスはがんと闘う場所ではない」ということを徐々に飲み込めればいいが、それができない人は最後まで苦しむことになる。
穏やかに過ごせるのはどういう人か。服部さんによると「自分のことを受け入れられる柔軟な人が第一。そして、家族のサポートがある人も穏やかですね」とのこと。大切なのは「自分は一人じゃないんだということを実感する」こと。つまり「絆」が大事なのだと強調する。
しかし、どうしても最後まで穏やかになれない人もいる。「患者さんが殻に閉じこもってしまっても、僕たちはできるだけ最後までついてあげることしかできないんですよね。だけど辛抱強くそばにいて、少しでも殻を開けてくれるようなタイミングあればそれを逃さずキャッチする。そうして心の中に入っていく努力をしています」。
また、患者の苦しみのひとつには「スピリチュアルペイン」と呼ばれるものもある。なぜこんな病気になってしまったのだろう。何がよくなかったのか。そう思い詰めることから生じる苦しみだ。周囲から冷静に見ると無意味なようなこじつけをして苦しむ人もけっこう多いが、それを医療者として「苦痛」と捉え、向き合うのもホスピスだ。医療者サイドがスキルやガイドラインでガチガチに理論武装しても、心の中にまで入り込むことは難しい。ならば医者という殻を破って 「素の自分」で対峙するしかない。そうしたことから信頼関係が築いていける、と服部さんは話す。
「『人は生きてきたように死んでいくしかない』ということをよく耳にします。医者の実感として、これまで好き勝手に生きてきた人がいざ病に倒れたとき、いきなり悟りを開いていい人間に変わって死んでいくということは、まずありません。病になるならないに関わらず、常に自分らしく人生を生き切る。大切なのはそういうことではないでしょうか」。

緩和ケア(ホスピス)とは

がんやエイズなどで、積極的な治療が困難と判断されたり、それらの治療を希望されない方で、さまざまな苦痛を和らげ(緩和し)、残された日々をその方らしく過ごせるようにサポートするケア。単なる肉体の苦痛だけではなく、心の問題や、その方のおかれた立場上の苦痛、人としての深い問題に対しても耳を傾けていくことが必要(全人的ケア)。患者だけでなくその家族もケアの対象となり、その目的に対し、多職種からなるチームでケアを進めていく。また、患者さんが病院を退院されたあとも、残された家族の気持ちに寄り添い、再び元気を取り戻せるように援助することも重要な働きとなっている。


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